ペットの夏対策
梅雨入りし、湿度の高い毎日。これからの季節でペットを飼っている方にとって気になるのが、ペットの暑さ対策です。人間同様ペットも熱中症にかかります。毛皮を着ているペット達は、もっと暑いハズ。
大切な家族を暑さから守るためのヒントを、3回に分けてお話ししていきます。
第1回:ペットの暑さを逃す仕組み
第2回:こんなペットやこんな時はご用心!
第3回(最終回):大切な家族を暑さから守る方法
そもそも熱中症って…?
『高温多湿な環境に、身体が適応出来ないことで生じる、様々な症状の総称』
日本気象協会HPより
様々な症状とは…目眩、ほてり、筋肉痛や痙攣、だるさ、吐き気、異常な発汗、体温が高い、皮膚の異常、ふらつき、無応答、水分補給が不可能。など。
最悪の場合、死に至ることもあります。
ペット達の暑さの逃し方
さて、暑さに弱いペット達は、どの様にして暑さを逃しているのでしょうか?人間は汗をかいてクールダウンしますよね。ですがペット達は汗をかいている様子は見られません。なぜでしょう?皮下には、アポクリン汗腺とエクリン汗腺という腺があり、どちらも汗を分泌しています。特にエクリン汗腺は、サラサラとした水っぽい汗を分泌しています。しかしペットはエクリン汗腺が極端に少なく、人間の様に汗をかいて体温を下げることが出来ないのです。
犬の場合
犬が口を開けて、ハッハッハッ。と浅く速く呼吸をしているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。この行為を『パンティング』といいます。気温が高い時や興奮した時などに見られ、唾液を蒸発させその気化熱で体温を下げているのです。
猫の場合
一方、猫はどうでしょう?猫は犬の様にパンティングをすることは、ほぼありません。逆に猫がパンティングをしている時は、呼吸が苦しいなど非常に状態が悪い時ですので、すぐに動物病院へ連絡をしてください。
猫はパンティングはしませんが、グルーミングで体を舐める事で、唾液の気化熱で体温を下げます。
暑さに強いペットはいるの?
犬では、オーストラリアンキャトルドッグ(オーストラリア)やバセンジー(コンゴ共和国)など、暑い地域原産の種類は強いと考えられます。しかしどちらも他の犬同様、エクリン汗腺の数は少ないため、暑さを逃すことは苦手です。また日本の夏は気温と一緒に湿度も高くなりますので、唾液を気化しにくくなります。そのため日本でペットを飼う場合、暑さ対策は必須と考えた方が良いです。
ペット達が暑さが苦手な理由を分かっていただけたでしょうか?
次回は暑さが特に苦手なペットの特徴や、熱中症の初期症状についてお話しします。