小さいけれど侮るなかれ ノミ、マダニ
3月に入り、暖かい日が増えてきましたね。シッターでワンちゃんのお散歩をしていると蜂たちが花の蜜を集めている様子もよく見かけます。ノミやマダニ、フィラリアの季節でもありますね。今回は小さいけれど危険なノミとマダニについて紹介します。
●ノミ
体長1〜3mmで猫や犬の体表に寄生し成虫になると吸血します。普段は草むらの中にいますが、猫や犬が出す二酸化炭素や振動、体温に反応したノミは葉先へ移動し、強力な後ろ足で体長の約60倍の距離を、飛び体長の約100倍の高さを飛んで動物に寄生、吸血します。
動物の体に寄生したノミは10分以内に吸血を始めます。寄生してから1日半〜2日後には産卵をして1日平均30個の卵を産みます。吸血、産卵を約1ヶ月〜2ヶ月ほど繰り返しその一生を終えます。
卵は6日ほどで孵化し、幼虫の時は人やペットの食べこぼし、フケなどを食べてさなぎから成虫へ成長します。
ノミが引き起こす病気
・アレルギー性皮膚炎
ノミの唾液が原因で引き起こされる皮膚炎です。痒みや発赤があります。痒みによるストレスや引っかき傷が化膿して炎症が悪化することもあります。
・瓜実条虫症
ノミの体内にいる条虫が毛づくろいなどにより動物の体内に取り込まれることで感染します。下痢や体重減少の症状があり、人にも経口感染します。ノミを潰したり、動物の糞便を触ってしまった時はしっかり手を洗いましょう。
・猫ひっかき病
ノミが媒介した菌が猫に引っかかれたり噛まれたりして、人にも感染します。傷口の膿疱や発熱、数週間〜数ヶ月リンパ腫が腫れるなど様々な症状を発症します。
●マダニ
ダニには食品や衣類に生息するダニと森林や草地に生息するダニがいます。マダニは主に草地や屋外に生息し、日本全国に沢山の種類がいます。特に長野県は沖縄県に生息するマダニ以外のマダニが生息しています。
春に活動を始める種類もいますが、冬の寒い時期にも活動している種類があるので年中の予防が大切です。
マダニは吸血と脱皮を繰り返して成長し、産卵時には2,000個〜3,000個の卵を産みます。
マダニが引き起こす病気
・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
近年、発見されたマダニが媒介する感染症です。日本でも九州で初めて感染者が出たり命を落とす人もいます。発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が多くの症例で認められ、有効な治療法が確立されていません。
犬や猫にも感染し、犬より猫の方が重症化しやすく致死率も約60%と高めです。予防、駆虫薬としてホームセンターに首輪や液体スポット薬が販売されていますが、効能が低いため動物病院で処方された駆虫薬がおすすめです。
・ライム病
野ネズミや野鳥が保菌していてマダニの媒介により人や犬、猫に感染します。食欲不振や全身の痙攣などの症状が出ます。
・日本紅斑熱
マダニが保有している病原菌により頭痛、発熱、倦怠感などの症状があり、死に至る場合もあります。
他にも、Q熱、ダニ媒介脳炎、ツツガムシ病など重症化しやすい感染症を媒介します。
●予防と対策
小さいノミ、マダニを見つけることは難しく寄生してから気づくことがあります。特にノミの場合、幼虫から成虫になるまで姿形が異なるので駆虫薬がその都度、効きにくい事があります。散歩から帰ったらブラッシングをしたり、皮膚の薄い股や顔周辺、肉球の間など隅々までチェックしましょう。また動物病院で駆虫薬や持続効果のあるノミ、マダニ避けのお薬を処方してもらいましょう。
人も帰宅した玄関前で上着を脱ぎ、払うことで家に中にノミ、マダニを持ち込まないようにしましょう。人やペットが吸血されていることに気づいたら、無理に取るのではなく病院に行き、取ってもらうようにしましょう。
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